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一問一答(遺言編)

1: 遺言の方式

遺言とは何ですか?

遺言をする方の死後の法律関係を定める最終の意思表示をいいます。遺言により、自分の死後も、自分の財産を自由に処分することができることになります。

遺言を残したいと思っているのですが、どのような方法がありますか(遺言の方式)?

すべて自分で作成する自筆証書遺言、公証人に作成してもらう公正証書遺言、その内容の秘密を確保する秘密証書遺言があります。
他に、特別な方式によるものとして、一般危急時遺言、難船危急時遺言、一般隔絶地遺言、船舶隔絶地遺言があります。

自分で遺言を書く場合に、どのような点に注意すればよいですか(自筆証書遺言)?

遺言が有効と認められるためには、厳格な要件が定められていますので、その方式をしっかり守ることが重要です。自筆証書遺言の場合には、遺言の内容、日付をすべて自分で書いて、署名、捺印することが必要です。代筆やワープロ打ちしたものは遺言としては無効となりますので注意が必要です。

遺言にはいくつか方式があると聞いたのですが、どの方法がよいですか?

ケースバイケースですが、それぞれの方式のメリット・デメリットを踏まえ、検討することになります。
自筆証書遺言は、すべて自分で作成できるため、作成や変更が容易であるというメリットがある一方、要件を充たさないために無効となるリスクや、内容が書き換えられるなどの偽造・変造や隠匿されてしまうリスクがあり、遺言者の死亡後に、本当に本人が書いたものかどうかなどが相続人間で争われることも少なくありません。
公正証書遺言は、公証人が作成するものであるため、偽造、変造等の心配がなく、自筆証書遺言に比べ、遺言者の死亡後に相続人間で、その有効性が争われるリスクも低いといえます。もっとも、一定の費用がかかるなど作成・変更が容易でないというデメリットもあります。

2: 遺言の効力

遺言を書いたのですが、これを変更することはできますか?

一度書いた遺言書を加除・訂正する場合には、厳格な要件(変更場所の指示、変更した旨の付記、これに署名、変更箇所に押印)が法定されていますので、この方式に従えば、変更することができます。
また、新たに内容の異なる遺言書を作成した場合には、後の遺言が優先する(前の遺言を撤回する)ことになりますので、この方法によっても、遺言を変更することができます。

遺言が残されているのですが、父が重度の認知症になった後の日付が記載されています。このような遺言も有効なのですか(遺言能力・遺言無効確認訴訟)?

遺言が有効とされるためには、遺言作成時に、遺言者が遺言能力を有していたことが必要であり、具体的には、自己の行為の結果を判断できる能力が必要となります。認知症の程度にもよりますが、遺言者が、遺言作成時に、自分の行為の意味を認識できないような状態にあった場合には、その遺言は無効となります。
このように遺言が無効であることを争う場合には、遺言無効確認訴訟という裁判を提起する方法があります。

3: 検認

遺言の検認とは何ですか?

公正証書以外の遺言について、家庭裁判所に遺言書を提出して、その存在を確認してもらい、以後の偽造・変造を防止するという手続です。検認の手続をとらないからといって、遺言が無効となるわけではありませんが、遺言の保管者や発見者は、検認手続をとる義務がありますので、偽造・変造の疑いをかけられないためにも、早期に検認手続を進める必要があります。

4: 遺言の執行

遺言を残そうと思っているのですが、私の死後、遺言はどのように実行されるのですか(遺言執行者)?

遺言の内容を実現するために執行行為が必要なものについては、遺言執行者が必要となります。遺言執行者は遺言で指定することができますし、遺言執行者がいない場合には家庭裁判所が選任します。
遺言執行者は、相続財産の管理や遺言の執行に必要な権限を有し、遺言の内容が財産の処分に関するものである場合には、財産目録を作成の上、遺言の内容に従った財産の引渡しや名義書換えを行います。

5: 遺留分

遺留分とは何ですか?

相続人のために必ず確保されなければならない遺産の一定割合をいいます。遺言で、遺言者が一部の相続人に全財産を遺贈したような場合に問題となります。

遺留分は誰が請求できるのですか?

兄弟姉妹以外の相続人が請求できます。具体的には、配偶者、子、直系尊属(父母や祖父母等)です。

遺留分はどれくらいの割合で確保されるのですか?

直系尊属(父母や祖父母等)のみが相続人である場合には3分の1、その他の場合には2分の1となります。この割合を法定相続分に従って分割したものが、個々の相続人の遺留分となります。

父が長男(私の兄)に全財産を相続させるという遺言を残しており、私の遺留分を侵害していることが分かりました。どうしたらよいですか?

まず、遺留分算定の基礎となる被相続人(亡くなった方)の財産を確定し、遺留分割合に基づき、侵害されている遺留分の額を算定します。
その上で、当該遺留分を侵害している者(贈与、遺贈を受けた者)に対し、遺留分の請求(遺留分減殺請求)を行います。具体的には、内容証明郵便等による通知を行い、任意に請求に応じない場合には、調停手続や訴訟手続を行うことになります。
なお、遺留分の請求権は、相続開始と遺留分侵害を知ったときから1年以内に、相続開始のときから10年以内に行わないと消滅してしまいますので注意が必要です。

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